第3回 国際マンガ・アニメ祭 Reiwa Toshima (IMART2022)開催レポート

 

謝辞

第2回 国際マンガ・アニメ祭 Reiwa Toshima (IMART2022)開催にあたり
以下の皆様に多大なるご協力をいただきました。

ご協賛いただいた企業・団体・教育機関の関係者の皆様
視聴・懇親会参加チケットをご購入いただいた皆様、
ご登壇いただいた皆様

皆様のおかげをもちまして、第3回IMARTを開催することができました。
ここに、深く感謝いたします。

マンガやアニメの行く末を思い、皆様にご協力いただけたものと受け止め、
今後とも業界の発展に寄与できるよう精進してまいります。
誠にありがとうございました。

 

IMART実行委員一同

 

IMART2022 キービジュアル

IMART2022 キーピクチャー 夜宵草

 

2022年10月21日・22日・23日の3日間にわたり、マンガ・アニメ業界のボーダーレス・カンファレンス「国際マンガ・アニメ祭 Reiwa Toshima 2022」(以降IMART 2022)を開催いたしました。今回は、前回に引き続き各セッションをオンライン開催で配信しつつ、初日の基調講演、及び業界交流会のみ、としま区区民センターにてリアル開催いたしました。

本レポートでは、開催概要から24セッションのオフィシャルレポートをお届けいたします。

 

 

はじめに

IMARTは、急速に変わりゆくマンガ・アニメ業界の中で、そのそれぞれの分野において国内外で何が起きているのか。マンガ・アニメ業界の先端で活躍するイノベーターや実務家を一同に集め、基調講演・セッション・交流会等を通じてその知見を共有し、日本のマンガ・アニメ文化産業の未来を拓くことを目的としたカンファレンスです。
IMART2022では、開催テーマを「ウェブトゥーン」と定め、キーピクチャーに『ReLIFE』の夜宵草さんによるイラストを掲げ、マンガは勿論アニメについてもウェブトゥーンをテーマとして企画・人選など行いました。
本レポートでは、既に参加・視聴された方には見逃された内容をチェックするために。未視聴の方には、どういった内容のセッションがあるのかを、より具体的にお知らせするために、各セッションのサマリーをレポートいたします。

 

イベント名
第3回 国際マンガ・アニメ祭Reiwa Toshima(IMART 2022)
開催日時
2022年10月21日(金)・22日(土)・23日(日)
開催方法
1日目の基調講演・交流会(10/21金)をリアル開催/2日目、3日目のセッションをオンライン配信
開催・収録
ハレザ池袋-としま区民センター
主催
アイマート実行委員会
共催
豊島区
〈協賛〉
小学館、講談社、集英社、KADOKAWA、HykeComic、セルシス、DMM.com、ブックリスタ、ドリコム、ファンギルド、大日本印刷、and factory、新潮社、ナンバーナイン、viviON、and factory、BOOK☆WALKER、秋田書店、booklive、コアミックス、コミックスマート、 メディアドゥ、ebookjapan、コミチ (敬称略)
〈メディアスポンサー〉
アニメ!アニメ!、KAI-YOU
〈特別協力〉
日本漫画家協会
セッション数
14セッション 別途基調講演
公式サイト
http://imart.tokyo/

 

 

10月21日(1日目)

 

【基調講演】国産Webtoonプラットフォーム 世界へ!

16:30-17:00  としま区民センター6F 
動画ページ

1本目の基調講演では2022年6月にリリースした縦読みコミックアプリ「HykeComic」について、アカツキの歩みを交えながら紹介した。ケータイ用ゲームコンテンツの企画・開発から始まり、オリジナルIPを手がける中で、優れたコンテンツを生み出す場としてWebtoonに可能性を見出したという。
アカツキは日本のコンテンツを世界に広げることを目指しているが、HykeComicでは中国のマンガプラットフォーム「快看漫画」(Kuaikan Comics)の中から、日本の読者にも受け入れられそうなタイトルも独占配信している。Webtoonは気軽に読めるというイメージがあるものの、実際は多彩なジャンルや読み味があることをユーザーとコミュニケーションしながら広めていきたいと話した。
Webtoonに参入して気付いた点については「資本力によってヒットを作るのは極めて難しい」とコメント。コンテンツの根幹にあるストーリーやキャラクターに価値がなければWebtoonの良さは生かすことができず、個人の才能や独創性に依るところが大きい。そのため良いコンテンツを生み出すには時間がかかるとしながらも、Webtoonは集団制作がメインのため、スタジオ内で表現力などを積み上げていくことができる。個人ではなく集団だからこそヒットの確率を上げられるのではないかと展望を述べた。

 

【基調講演】アニメスタジオの現在と未来

17:00-17:30  としま区民センター6F 
動画ページ

2本目の基調講演では2022年10月放送開始の『チェンソーマン』の事例を通じて、アニメ制作会社・MAPPAのチャレンジを解き明かした。アニメ業界は2010年代後半に配信プラットフォームが台頭したことでパラダイムシフトが起き、Blu-rayやDVDのパッケージ販売によって製作費を回収するというビジネスモデルが変化した。製作委員会方式のあり方も変わっていく中で、MAPPAは自社OEMを通じて商品を販売したり、展示会を開催したりと、さまざまな試みを通じて、スタジオ自身が作品を届ける環境を整えていった。
『チェンソーマン』でスタジオとしては異例の単独出資に踏み切ったのも、主体となってビジネスに取り組みたいというモチベーションがあったからだ。アニメは販売や興行などの流通市場も含めた産業としては大きいが、スタジオが携わる制作単体ではそれに及ばないという現状がある。しかしビジネスの起点になっているのは作品であり、そういった市場にもきちんと関われるスキームを作りたかったと明かす。
また配信によって、海外でも日本とタイムラグなく作品を視聴できる環境が生まれた。MAPPAのYouTubeチャンネルは海外からのコメントが非常に多く、存在感は日に日に増しているという。木村氏は海外ファンも日本と同じような取り組みに期待をしているはずなので、国内同様に幅広いビジネスに取り組んでいきたいと意気込みを見せた。

 

ディスカッションでは、アニメとWebtoonの課題や可能性、集団制作ゆえの共通点、ベンチャーのメリット・デメリットなど、話題は多岐にわたった。香田氏はマンガもアニメも競争が国際化しており、求められるクオリティが上がっている現状に言及。「コストも上がる中で、安心して中長期的に人材育成や設備投資ができる土壌をビジネス側で作っていかなければいけない」と経営者としての責務を語り、「クリエイターが夢を持って働けないと産業の未来はない」と警鐘を鳴らす。
木村氏はWebtoonの『ゴッド・オブ・ハイスクール』をアニメ化した際に、原作のコマ割りが洗練されていて驚いた経験を振り返った。読者のリテラシーが高まることで、作品をどう見せようかというクリエイターのモチベーションが生まれるという良い循環が起きているのではないかと分析。MAPPAでも若いクリエイターの熱量の高さがヒットに繋がることが多いと実感を述べる。
海外展開に関しては、香田氏は日本の人口が減る中で国外に可能性があるのは、アニメやゲームなどの文化を担ってきた業界だと考えているという。国内であれば売り場が決まっているため作品づくりに専念できるが、海外ではファイナンスやアライアンスを含めて、全体をどうデザインするのかという総合力が求められ、その点がビジネスとして面白いと語る。
木村氏も『劇場版 呪術廻戦 0』の全米でのヒットに触れながら、配信が新しいファン層の掘り起こしに繋がっているとコメント。今後は海外においてもアニメがより幅広い世代に浸透していくのではないかと語り、作品づくりにおいても環境や出口に応じて方針を立てる重要性を説いた。

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